2019年香港で今なにが?香港旅行をキャンセルすべきか
今テレビでも報道されている通り、香港では大規模なデモが行われています。そのため欠便が相次ぎ、香港旅行をキャンセルせざるを得なかった人、また自発的にキャンセルした人も多いのではないでしょうか。
本日は香港旅行へ行くか悩んでいる方へ向けて、旅行をキャンセルすべきか、また香港の現状や渡航に危険があるか?注意するポイント等を説明していこうと思います。
そもそも何が起きている?
そもそも香港で今何が起きているのでしょうか。簡単にご説明します。
今、香港では「逃亡犯条例」改正案の撤回要求をきっかけに、市民によるデモが約4カ月続いています。
はじめは警察の許可の下、平和的に行われていたデモでしたが、最近は抗議活動が激化し、警察が催涙弾やゴム弾を打ち、けが人逮捕者が続出。
また、今月の10月1日に、デモ開始から初めて18歳の少年が実弾で胸を撃たれ、病院へ搬送されるという衝撃的な出来事が起こりました。この事件から、今後デモは更に激化していくことが予想されています。
そのため、外務省も香港を危険レベル1(十分注意してください)に設定し、香港渡航者へ注意喚起を呼び掛けています。
デモの発端とは?
では、デモの発端となった逃亡犯条例とは何でしょうか。
逃亡犯条例とは、香港以外で犯罪を行った容疑者を協定済みの国へ身柄を引き渡せるという条約です。
現在、香港は米国など20カ国と犯罪人引き渡し協定を結んでおりますが、中国本土やマカオ、台湾との間にはありませんでした。今回の本改正案は容疑者の身柄引き渡し手続きを簡略化し、中国大陸、マカオ、台湾(中華民国)にも刑事事件の容疑者を引き渡しできるようにするものでした。
一見問題がないように思えるこの条例ですが、改定すれば中国共産党にとって不利益な人物と判断された場合に中国へ引き渡される可能性があるなど、本条例の乱用を恐れた香港の人々が逃亡犯条例に反対しデモ活動を行っています。
デモ活動が激化したことから、行政長官である林鄭月娥(Carrie Lam)氏は9月4日に逃亡犯条例の改正案の撤回を表明しましたが、未だ市民の抗議の声はやみません。
市民は逃亡犯条例改正案の撤廃だけでなく下記の要求の受け入れを望んでいます。
①市民活動を「暴動」とする政府見解撤回
②デモ参加者の逮捕・起訴の中止
③警察の暴力的制圧の責任追及と外部調査実施
④民主的選挙実現
①~③の要求が受け入れられないとなると、抗議者から多くの逮捕者が出ることが予想されるため、今だ抗議活動は行われています。
今香港は危険なのか?
結論ですが、危険と言わざるを得ません。
外務省は香港を危険レベル1(十分注意してください)に設定しており、渡航を禁止しているわけではありませんが、抗議者と警察との衝突がエスカレートしている傾向がみられ、観光客であっても巻き込まれる可能性があります。
「逃亡犯罪人条例等改正案」を巡っては,一部の抗議活動について,警察不許可にも拘わらず抗議活動が行われたり,ゲリラ的な抗議活動が行われるなど流動化傾向がみられ,また抗議者と警察当局の衝突がエスカレートしている傾向もみられます。抗議活動は空港や一部観光地を含め香港の広範な範囲で行われており,今後も抗議活動は継続し,かかる混乱が続く可能性があることから,香港を危険レベル1に引き上げます。
また最近、抗議者と警察との衝突に、正体不明の第三のグループが乱入したと報じられました。
白シャツ等を着用した集団が地下鉄の元朗駅に現れ、無差別に市民に襲い掛かりました。
この時の負傷者は妊婦1人を含む45人、うち5人は重体と伝えらてれています。
こうした正体不明の乱入者も加わり、香港では大変な混乱が起きています。
香港へ渡航するならば、常に情報収集が必要です。
香港慣れしている人や香港に知り合いがいる方、積極的に銃砲収集ができる方であれば問題はありませんが、香港にあまり慣れていないという方は渡航をやめたほうが賢明です。
香港渡航中の注意点
それでも香港へ行くという方や、仕事の都合で行かなければならないという人に香港渡航中の注意点をご紹介します。下記の注意点に気を付けて、常に周りの様子に気を配りながら、情報収集を欠かさないようにしてください。
・街中でむやみに撮影をしない。
特に、抗議活動の様子の撮影は絶対にやめてください。
・SNSなどで抗議活動の情報を収集し、活動の可能性がある場所に絶対に近づかない。
・黒いTシャツを着用しない。
デモ隊は黒いTシャツを着用しているため、抗議者と勘違いされ、暴動に巻き込まれる可能性があります。
・夜はホテルなどの宿泊先から出ない
・レノンウォールには近づかない
レノンウォールは自由と平和のシンボルとして知られる壁のことです。ポストイットに多くの人が自分の意見を書き、壁に貼り付けています。このレインウォールで暴動が起きることが多いです。
画像引用元:AFP/XAUME OLLEROS
まとめ
本タイトルの結論ですが、今香港へ渡航することはお勧めしません。平日昼間や、デモが行っている場所へ近づかなければさほど危なくはないという情報もありますが、香港慣れしている人や香港に知り合いがいる人以外は渡航を避けたほうが賢明です。
現地ではいつ突発的なデモ活動が起こるか分かりませんし、常にローカルのニュースをチェックし、情報収集する必要があるため、楽しいはずの香港旅行が安全面の心配で楽しめないということにもなりかねません。
最終的には皆さんの自己判断になりますが、よく考えて渡航を決めてくださいね。